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パラミタ美術館(つづき)
パラミタ美術館の話を書いたが、この美術館にはいろいろとご縁があった。パラミタと言う名前は、この美術館が設立される時に公募された名前だが、本当に良い名前をお付けになったとおもう。というのも、故池田満寿夫の陶芸がこの美術館の出発点になっているからだ。池田が晩年に、陶芸に打ち込んでいたことは周知のことだが、その作品群は般若心経と名付けられている。「般若波羅蜜多心経」は、三蔵法師がインドから持ち帰った経典だが、原典は古代インド語のサンスクリット語で書かれていて、般若は知恵、波羅蜜多は完成したという意味だそうだ。つまり悟りの境地とでもいうことだろうか。池田はこの作品群を制作過程で亡くなったが、遺作は三重県のパラミタ美術館に収蔵されて常設展示されているのだ。

昔、AVIS FELIXという陶芸書店を開いていた時に、三重県からK夫人がたびたび来られていたが、店に展示されていた池田満寿夫の作品集を買われ、そこに載っていた彼のやきものに魅せられ、池田未亡人から散逸しないことを条件に、譲り受けられたことがあり、その縁で美術館を作られたとお聞きした。いろいろな縁がつながり、新しい世界が開ける、将に觀自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空。

私は、子供のころ般若親経にひかれ毎日暗誦していた。仏教に興味を持つきっかけになった経典だった。だから、この美術館に本当に親しみを覚え、機会あれば訪問する私にとって楽しみな場所だ。最近では、四日市にある澄懐堂美術館とも縁が深まり、ますます楽しみなところになった。
by chateau_briand | 2013-07-13 11:40
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